by Tomi
ナレオアイランダースの楽器
    @スチールギター
 中高年層には懐かしいスチールギター。最近、本場ハワ イのバンドでは、あまり使われないようです。
 1950年〜1960年代の日本のハワイアンバンドでは必ず使われていました。この頃のハワイアンミュージックは、スチールギターがメロディーを担当 し、歌の伴奏でも重要な役割を担っていました。
 たいていのバンドで、スチールギター奏者がバンドマスターだったことで、バンドの中心楽器だったことが分かります。当時のバンドの演奏曲は、アメリカ本 土からの旅行者が、ハワイの印象を歌った曲が中心で、英語のハワイアンです。
 日本では、それにハワイアン歌謡とも言える曲が加わりました。また、歌と同格、あるいは、それ以上に、演奏だけの需要がありました。当時は憧れだけの存 在だったハワイを連想させる、スチールギターが奏でる音楽が、喫茶店、プール、観光地、テレビのクイズ番組(商品がハワイ旅行)等々で流れていました。
 クラブやキャバレー、ダンスホールで、ジャズやラテン、あるいはタンゴを、ハワイアンバンドが演奏していました。
 我がナレオアイランダースの演奏スタイルは、その流れを汲んでいます。

 スチールギター奏者が少なくなっているハワイの状況は、フラソングを少人数で演奏するため、ギター、ウクレレ、ベースで事足りるようにしたことも影響し ているようです。決して多くないギャラを分けるためにも、必要なことなのでしょうか。
 少人数で演奏するため、ギター、ウクレレも、思い切り響かせる奏法や楽器構造になっています(ウクレレの大型化や弦の複線化)。
 ナレオアイランダースは、これまでのカッティングリズムだけでなく、響かせる奏法にも挑戦していきます。しかし、アマチュアの最大の強み、多人数で迫力 ある演奏が、ナレオアイランダースの一番の売りだと思っています。
    
シングル ネックスチールギター ダブル ネックスチールギター ペダルス チールギター
スチールギターは金属の棒(バー)を使い演奏します。普通のギターのように複雑な押さえができません。そこでスチール奏者は色々な チューニングを工夫しています。私も独特のチューニングで、世界で一人だけのチューニングです。高音から低音のように、順序よく弦が並んではいません。不 思議な調弦です。8弦6弦、7弦もあります。 2通りのチューニングを使えるスチールギター(2台がつながっている)です。私も若い頃はこのタイプを愛用していました。一つは、 今、シングルで使っているチューニングが基本です。もう一つは、Amajだったり、E7を使い分けていました。3ネック、4ネックのスチールギターもあり ます。6弦と8弦があります。 ペダルを踏むことによってチューニングを変えることができる。運ぶのも組み立てるのも大変。弦が切れることもあり、家での遊びにし か使っていません。これは8弦ですが、10弦や、ダブルネックもあります。ペダルの数もさまざまです。

    Aウクレレ
 若い人にも、ちょっとした ブームになっているウクレレです。
 ハワイで生まれた楽器ですが、ポルトガル人が持ち込んだ弦楽器がその前身で、ハワイで独自に発展しました。ハワイ語でノミが跳ねるという意味の「ウクレ レ」と名付けられました。ハワイアンミュージックには欠かせない楽器です。
 小さくて手軽なことから、楽器初心者にはお勧めです。値段も手頃、といけば良いのですが、まともな楽器は意外と高価です。ギターと比べても、かなり割高 感があります。しかも、小さいウクレレほど、ピッチ(調音)が難しく、正確な楽器を選ぶのは大変です。
 ウクレレは、普通のギターのような形をしたもの、パイナップル型と言われる寸胴型があります。表面材質も、コア、マホガニー、スプルース、パインなどが ありますが、好みの音質で形、材料を選ぶことになります。
 コアでもハワイアンコアが、その希少性からも高価で品薄気味。独特の「コロンコロン」と形容される音で、ハワイアンバンドのバッキングには最適と言われ ています。
 マホガニーは、甘い音色が特徴で、バッキングよりもメロ弾きのウクレレソロに適しているように思います。中でもホンジュラスマホガ ニーが最高と言われています。
 スプルースは、ギターに使われる材料ということもあり、ギター的な音がします。
 マンゴー材のウクレレがあります。主観ですが、音の浸透性はいまいちですが、かなり甘い音色がします。他にも、ギター同様に、ローズウッド、ハカラン ダ、などありますが、廉価物は、合板が多く、響振(共振)性で少し劣るようです
 最近では、大きさも色々見かけます。スタンダードと言われるものから、コンサート、テナー、バリトンという順に大きくなっていきますが、この区分も便宜 上のもので、どう呼んだらいいのか分からないものがあります。
 通常は4弦ですが、6弦、8弦もあります。ギターのように、細い弦から太い弦の順に並んでいません。ウクレレ独特のアップダウンで弾くには、1弦、4弦 が、細い弦と言うのが適しているのです。最近は、ウクレレの音域不足に対応するために、4弦に太い弦を張るローG仕様も流行しています。
         
ウクレレ各種、手前はギター 8弦のウクレレ 左からベビー、スタンダード、コンサート、テナー
色々な形状、大き さのウクレレがあります。ネックとボディーが12フレットで繋がっているのが普通ですが、14フレット,16フレットジョイントのロングネックタイプも多 くなってきました。手前のギターと比べてください。表面板は、コア、マホガニー、スプルース、ローズウッドなど。側面、裏面、指板の材質も音に影響があり ます。 最近のフラバンド では、8弦といった複数弦ウクレレがよく使われます。マンドリンのように2本の弦を1本のようにして4組にしていますので、よく響きます。かき鳴らすと いった感じです。弦の張力が2倍になる分、ウクレレの構造が、しかっりしていることが条件です。
 
大きさ比較です。 この他にもバリトンがあり、この範疇に入らない物もあります。コンサートでも大きさに差があります。小さいものが弾きやすいとは限りません。上達すれば大 きい方が弾きやすく、むしろ色々なテクニックを使うために大きいウクレレを使う傾向にある。大きければピッチも正確に作りやすいこともあります
ここで紹介したウクレレは全てナレオのウクレレマン、wakino所有のものです。

    Bギター
 ピアノが楽器の王様なら、ギターは楽器の女王様でしょうか。ピアノのように、しかし、もっと気軽に低音と高音のメロディーを 一緒に弾ける楽器です。和音の勉強にも適しており、メロディー楽器でもありながら、リズム楽器でもあるギターは、ほとんどのバンドで見かける楽器です。
 ガット(羊の腸)弦を張って、その弦をはじき音を出す、リュートのような弦楽器が源です。今は、マイクやピックアップを内蔵したタ イプの、アンプで増幅して、大きな音を出せるギターが人気です。
 その反面、エレキを使わない、生音を活かすアコースティック型のギターも見直されています。
 最近の、ハワイアンバンドは、生音の響きを壊さず、音を強調できるタイプのピックアップ内蔵ギターが主流になっています。少人数で、響かせるための工夫 です。このギターの形状は、丸いサウンドホールの普通に見る形です。
 一昔前のハワイアンブームの頃は、アーチトップという表面板がふくらんでいるタイプで、サウンドホールはバイオリンタイプのf型ギターが主流でした (ピックギターと呼ばれていました)。ジャズなどにも使う、リズムを刻むという感じの音が好まれていました。
 ナレオアイランダースは、このアーチトップタイプを主に使っています。ジャズ、ラテンなどが主なレパートリーということもあります。
 ピックアップ内蔵型で、経過音を多用したリズムを入れたり、メロディーを受け持つこともあり、また、パッセージを入れます。生ギターはバッキングリズム を刻みます。最近、フラ曲では、丸いホールのアコースティックを使うこともあります。
 他に、エレガットのギターも使います。クラシックギターのピックアップ内蔵型です。
 ハワイアンでよく使われるスラッキーにも挑戦しています。通常の調律でなく、調弦を変えて(弦をゆるめる)弾く奏法です。これはクラシックギターではよ く行われていますので、めずらしいことではありません。クラシックギターでは6弦をEからDにゆるめることは、かなり頻繁に行われます。それに加えて、5 弦をAからG変えることも、時々行われます。クラシックでは、先ずここまでですが、さらに1弦をEからDにゆるめると、多く使われるスラッキーの調弦にな ります。開放で全ての弦を弾いた場合、Gの和音となります。独特の倍音の響きが、素朴な音色で、金属弦でもナイロン弦でも深い味わいがあります。
        



ピックアップ内蔵アーチトップ
アーチトップ型ギター
エレアコギター
エレガットギター
ピックアップ内蔵でアンプを通すことを前提としているので、生音の音量はありません。大橋節夫さんのバンドで、中村順一さんがこの タイプのギターを使い見事なバッキングしていました。あの当時からギブソンのギターで真似をするのが夢でした。
ジャズやハワイアンのバッキングには最適のタイプです。シャリンシャリンと形容される音で、切れのあるリズムを奏でます。生音でも 充分に響き渡る音は、大きな会場でも十分通用します。
バッキーさんのバンドなどで、このタイプの生音パッシングは独特の味わいが出ていました。

アーチトップタイプと違い、カッティングするよりも、残音を有効に使う弾き方に適しています。最近のハワイアンバンドはこのタイプ を使っています。今流行のフラソングにはこちらの方が適しているようです。生音もそこそこ出ます。
フォークギターのようにピックの返しを使う弾き方に適しています。

ナイロン弦のギターでピックアップマイク内蔵です。クラシックギターのような指弾きに適しています。指弾きなら複雑なアルペジオも 楽です。
ナレオアイランダースではこれをスラックキーギターとして使っています。

   Cベース(コントラバス)
 ナレオアイランダースが使っているベースはウッドベースです。一般的にコントラバ スと呼ばれるものです。最近はエレキベースが多くなっていますが、我々はウッドベースに、こだわっています。低音のやわらかい響き、高音の枯れた音が、ハ ワイアン、ジャズなどによく合います。  ウッドベースは、エレキベースと違い、フレットがないので、正確に押さえるため運指が重要になります。反面、開放弦が多用出来る点、楽なこと もあります。
  交響楽団などでは、 ベートーヴェンの「運命」第二楽章に代表される超低音のCを出せるように5弦のコントラバスが使われていますが、我々が使うのは4弦です。
  ナレオアイランダース では、生音をマイクで集音し、PAで増幅して使っています。ピックアップを付けてアンプを通すことも考えていますが、現在、正ベースが故障中で、これが直 り次第取り付ける予定です。
  ウッドベースは、うっ かりすると、本体内の根柱と呼ばれる表板と裏板の間に立っている柱を倒してしまうことがあります。この正ベースは根柱が倒れています。バンドのメンバー が、根柱のずれを直そうとして倒してしまいました。構造をよく知らない者が思い切り弦をゆるめてしまい倒したのです。専用の工具を持っていないので、修理 の出来る所へ持って行く必要があります。別なウッドベースがあるので、それを使っているうちに「いつか直しに出す」と言い続け、そのままになっています が、要するに運ぶのが面倒なのです。
  最近、正ベースの「音 色の良さが懐かしい」とメンバー間でも話題になり、なにより弾きやすい楽器だったので、いよいよ直すことになりそうです。直れば、ピックアップを付けよう と思っています。
     



エビ様が持つウッドベース
これが根柱を倒してしまい後の祭りで慌てる3人集
サイレントベース
エレキベース
ウッドベースは和製英語とか?ダブルベースとかコントラバスと呼ばれています。4弦で最低音はE。オーケストラではもっと低いCを 出せる5弦ベースが使われています。
左の写真のベースは、弦高が上手く調整されていて弾きやすく、音色も良かったのですが、根柱が少しずれてきました。調整に出そうと 思っていたら、なにを勘違いしたのか、簡単にできると判断した3人集が大変なことをしでかしました。工具もないのに根柱を動かそうとして、ついに倒してし まいました。
ベースは大きいので持ち運びや保管が大変。サイレントベースが欲しいところです。ベースを運ぶ為に、バンマスはワンボックスカーを 買いました。サイレントを買った方が安かったとぼやいています。
ナレオはセリカモishigeが別なバンドでエレキベースを担当していました。ドラマーのグッチも練習しているようです。迫力ある サウンドには向いています。

        
    D ヴィブラフォン
  略してヴァイブとも呼ばれる鉄琴の一種です。共鳴管と言われるパイプが鍵盤の下に並んでいます。パイプの上部には回転する羽根のようなものがあり、モー ターで回るようになっています。それによって音の震えが起き、ビブラート効果が生じます。この辺は楽器をやる人なら知っていることだと思います。
 ジャズバンドでは、よく使われています。ライオネル・ハンプトンやミルト・ジャクソンが、楽器としての存在感を高めました。ハワイアンでは、今風のフラ ソングのバンドが使うことはほとんどありませんが、スチールギターの入るハワイアンバンドでは、今でも好んで使われています。主旋律も任せられ、音に幅が 出るので大変貴重です。特に、ジャズ系の演奏をするときに威力を発揮します。ヴァイブを演奏する動きが、見た目にも華やかで、ビジュアル的にも聴く人を魅 了する楽器です。
 我がナレオアイランダースでも、結成当時は使っていましたが、今は、音が必要なときはキーボードが代行しています。
 楽器の持ち運びが大変で、狭い階段やエレベーターで苦労した経験は、ヴァイブを使っているバンド共通の悩みだと思います。
 ヴァイブ奏者は当然知っていることでも、他楽器の奏者に意外と知られていないのが、調音の問題です。ヴァイブが入るときのチューニングをどうするかを決 めなければなりません。通常ヴァイブの基本調音は、A(ハ長調のラ)が442Hzなのです。わずか2Hzとは言え、Aを440Hzでチューニングしている 他の楽器とは違います。違和感を感じる耳の良い人もいるので442Hzで合わせることも行います。ヴァイブのビブラート速度によっては調音の必要を感じな いとごまかしちゃう場合もあります。
 残響を消すためのペダルがありますが、本番演奏中にペダルの鳴り(整備不足が原因)が出てしまい困ったこともあります。鍵盤を叩くばち(マレット)の材 質でも音色が左右されます。
       


ヴィブラフォンとマレット
シルバーのヴィブラフォン
名人が余裕で弾いています
標準的な鍵盤数のヴァイブです。ナレオアイランダース大先輩のmatsuzaki氏所有のものです。ビジュアル的にも存在感にあふ れています。スタンダードジャズなどで、アドリブソロを任せられるので、スチールギターの負担が少なくて楽が出来ました。楽をしているバンマスの顔が見え ます。
バンマスの家にも1台シルバーのヴァイブがありますが、この写真のものより華奢な感じがします。それでも組み立てた状態では置けま せん。楽器スペースが必要なことと持ち運びが大変なので、ヴァイブ音が欲しいときはキーボードで代用しています。
matsuzaki氏はいくつかのバンドで演奏しています。ヴァイブを持ち運ぶために専用のワゴン車が不可欠です。
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ナレオアイランダースのスチールギター・プレーヤーであるバンマスtomiとスチールギターやスチール名人との出会いと想い出で す。

 

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